紅葉こそ絵葉書写真に最適の景色（谷川岳編） ～紅葉のスケール感を撮ろう（撮影時刻による違いを考える）
はなまっぷ公式 Ambassador まいちんさんの記事に刺激されて紅葉の記事を書きたくなりました(笑)。
秋が深まってくると、山が錦を纏う紅葉の季節となりますね。紅葉は山全体が色づくスケールの大きさに特徴がある景色。お花畑以上の圧倒的スケール感は、まさに絵葉書写真にうってつけの景色です。
今回の記事は、谷川岳周辺の紅葉撮影記です。谷川岳といっても、本格的登山不要のコースです。徒歩による移動が必要なのは、谷川岳ベースプラザ（標高７３０ｍ）～一ノ倉沢出合（標高８７０ｍ）間のみ。
標高差は僅か１４０ｍですし、電気ガイドバスが運行していますのでご安心ください。
谷川岳ベースプラザ駐車場は、紅葉の季節は夜間駐車禁止となります。早朝より登りたい方は、少し下の谷川岳インフォメーションセンター駐車場（トイレ有、車中泊禁止）、白毛門（しらがもん）駐車場（トイレ無）に車を止めることができます。また、電車でもアクセス可能で、“モグラ駅“として知られる上越線土合（どあい）駅から谷川岳ロープウェイまでは、徒歩２０分ほど。
では、谷川岳ベースプラザを出発して一ノ倉沢出合を目指して歩きます。歩き出しの数分、坂道がきついですがその後は緩やかな登りの舗装路を歩きます。３０分程も歩くと、マチガ沢出合に到着します。マチガ沢両岸が美しく紅葉し、正面には谷川岳が望める絶景地です。
撮影地が沢ですから、山に挟まれた谷状の場所になります。それゆえ、ある程度日が高くならないと沢の中に光が入って来ないのです。それで失敗したのが下の作例、２０２１年１０月３０日９時２２分の撮影です。写真左側の山肌が完全に影になってしまっています。暗部を無理に引き上げると紅葉のコントラストが落ちてしまうので、これだけ明暗差があると厳しいです。
この年の結果を受けて翌年リベンジに向かったのが次の作例、２０２２年１０月２６日１２時２２分の撮影です。画面左側にも光が入り、紅葉が輝いています。２４mm での撮影。
さて、マチガ沢出合を後にして次に向かうは一ノ倉沢出合。なだらかな舗装路をマチガ沢から徒歩３０分ほどで到着です。電気ガイドバスの折り返し地点でもあり、トイレも有る休憩ポイントです。
正面に谷川岳一ノ倉沢を望む絶景地です。沢に降りて撮るのも良し、沢を渡る道路上から撮るのも良しです。ここも沢ですから、光が入る時間帯が限られています。作例は、２０２２年１０月２６日１１時４４分の撮影ですが、画面左側はまだ影になっています。撮影時刻からすると、先ほどのマチガ沢の作例は、この一ノ倉沢から谷川岳ベースプラザに戻る時に撮影していました。一ノ倉沢出合も正午過ぎの光線がよさそうです。この時はカメラを右に振り、紅葉が美しく日に照らされている側の斜面をメインに画作りしました。２４mm での撮影。
ちなみに下の写真は、２０２１年に８時頃に撮影した一ノ倉沢出合。右側斜面も一部しか光が入っていません。渓谷とか沢は、撮影時刻が大事ということがよく分かる失敗作です（笑）。
下の作例は、２０２２年に沢に降りて岩を前景に２４mm で撮影した物。やはり、画面左側は陰になっていますが上の失敗例ほどでは無いですね（笑）。次の機会には、昼過ぎの光線で撮りたいと思います。
一ノ倉沢出合の絶景を堪能した後に向かうのは天神平展望台（標高１，５００ｍ）です。谷川岳ベースプラザまで戻り、谷川岳ロープウェイに乗ります。天神平駅でロープウェイを降りて、天神峠ペアリフトに乗り継ぎます。リフト終点で降りるとその屋上が天神峠展望台。付近を散策しながら撮影スポットを探します。リフト右手側に少し歩くと紅葉の中を進んでくる谷川岳ロープウェイを見下ろすことができます。雄大な紅葉の中を進むロープウェイがまるでマッチ箱のように見えるスケール感に圧倒されました。撮影は２０２１年１０月３０日１１時２４分です。約２００mm の望遠で撮影しています。
先ほどの一ノ倉沢出合との標高差は、６３０ｍほど。気温は、１００ｍで０．６℃違うといわれますから、３～４℃ほど気温に差があると思われます。したがって、マチガ沢出合、一ノ倉沢出合の紅葉がピークの時は、天神峠の紅葉がややピーク過ぎとなる可能性がありますので、お出かけのタイミングを決める参考にしてください。
天神峠の少し早い時間帯の作例を下に掲載しておきます。遠景を主体にした構図を６５mm で撮影。撮影時刻は 9 時１５分です。写真の下部がロープウェイが登ってくる斜面です。上の作例と比較すると、陰がくっきりとして日の当たる部分とのストライプとなっています。これはこれで、立体感があっていいという方もいらっしゃるかもしれませんが、望遠で寄るとコントラストが強すぎるかも。時間帯による光線の違いの参考にしていただけると幸いです。
猛暑だった今年もまもなく紅葉の季節がやってきます。今年はどんな絶景に出会えるか今から楽しみです。
最後までお読みいただき、まことにありがとうございます。皆様の撮影に少しでもお役に立てれば幸いです。
ライター Pure
