趣ある風景に包まれながら、さまざまな秋の花々を存分に楽しむことができる京都。四季折々の美しさが感じられるこの町の中でも、秋に特におすすめしたいのが西京区にある善峯寺です。

善峯寺は、市内中心部から少し離れた西山の中腹に位置する山寺で、自然に囲まれた静かな環境の中にあります。境内では実に5000本ものシュウメイギクが咲き誇り、その規模と美しさから京都随一の名所として知られています。



寺全体は一周40分ほどかけて巡ることができる回遊式庭園になっており、歩を進めるごとに景色が変化するのも魅力のひとつ。本堂へお参りを済ませてさらに奥へ進むと視界が開けてきて、境内の風景を楽しみながら背景には京都盆地を望むことができます。広々とした眺望を背景に、凛とした姿で様々な場所にシュウメイギクが咲いています。どこか風情があり、忘れがたい印象を残してくれる景色です。境内を歩いていると、濃いピンク色の八重咲きのシュウメイギクも数多く目に入りました。


華やかなその花は「貴船菊」とも呼ばれています。シュウメイギクの原産地は中国ですが、古い時代に京都・貴船の周辺で野生化しているものが発見されたと伝えられています。現在では貴船でその姿を見る機会は少なくなりましたが、当時見つかったのは八重咲きの品種だったとのことです。一般的にシュウメイギクといえば、一重咲きの花を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、八重咲きの花は、花弁が幾重にも重なり、見た目がより菊に近い雰囲気を持っています。

石段の脇にも多くのシュウメイギクが咲き並んでいました。


その中には背丈が1.5mほどにまで成長したものもあり、細くまっすぐに伸びた茎の先端に可憐な花を咲かせる姿はとても印象的です。ただ、茎が細いために重みや秋風に耐えきれなかったのか、石畳の上に横たわっているものもありました。倒れてもなお咲き続けるその姿は、どこか儚げでありながら美しさを失わず、かえって花の生命力と繊細さを際立たせているように感じられました。



善峯寺の公式HPによれば、一重咲きのシュウメイギクは10月上旬まで、八重咲きのものは10月上旬から下旬まで観賞できるそうです。さらに、11月中旬から12月上旬にかけては境内全体が紅葉に包まれ、寺は赤や黄色に染まった鮮やかな秋景色へと移ろいます。こうして、シュウメイギクの見頃から紅葉の盛りまで、長い期間にわたって秋の風情を楽しめるのが善峯寺の大きな魅力ではないでしょうか。季節の移り変わりを肌で感じながら散策できる場所として、ぜひ足を運んでみてください。

善峯寺 公式HP

写真・文 後藤 有紀

   




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